協会の活動
当協会は、下記の市場の動きに対応し、我が国のIoT製品の増加やIoT対応製品を活用したサービス事業市場の拡大に寄与することを目指し、以下の活動を行います。
- 使用済み製品に残された個人・企業情報の消去・破壊を前提としたリユース(リペアメントを含む)・リサイクルの推進を目指すガイドラインの策定及び取扱事業所の認定
- 主要製品別のデータ消去ソフトウェアの評価・認定
- 国連サミットで採択された「SDGs」(接続可能な開発目標)普及への貢献とESG(環境・社会・ガバナンス)への対応、及び循環型経済をめざす「サーキュラーエコノミー™」(循環型経済)対応施策の実施
- SDGs貢献およびESGをめざす個別や地方自治体等への支援活動
- 既存のIoT非対応製品等において使用済み後の製品内に個人・企業情報が残っているか否かの調査等
【市場の動き】
今日では、パソコンやスマートフォン・タブレット等を中心に「インターネット機能を有するモノ」であるIoT対応製品が拡大していますが、今後は、従来からの使用済みパソコン・使用済みスマートフォン・使用済み複合機等をリユース化した中古パソコン・中古スマートフォン・中古複合機等の中古OA機器を含め、さらに多くの製品分野でのIoT対応化の動きは加速すると考えられ、既存のIoT非対応製品の多数の入れ替えが発生することが予想されます。
4K・8K放送の開始、2020年には第5世代移動通信システム(5G)の実用化、さらにはパソコンのWindows7に対するサポート停止が2020年1月に迫っていることから、既IoT対応製品であるパソコンやスマートフォン・タブレット等でも今後多数の入れ替えが発生すると思われます。
我が国におけるIoT対応製品やIoT対応製品を活用したサービス等を拡大するには、使用済みIoT非対応製品のほか、使用済みパソコン・使用済みスマートフォン・使用済み複合機等からなる使用済みの既IoT対応製品の入れ替えが必要となりますが、製品回収後におけるリユース(再利用)・リペアメント(部品再利用)・リサイクル(再資源化)の役割が重要となります。ただし、これらの使用済み製品には個人・企業情報が残っている可能性が高いことから、情報データの消去・破壊が前提となります。
1.リユース・リサイクルの推進を目指すガイドラインの策定及び取扱事業所の認定等の実施
- 使用済みのパソコン・スマートフォン・複合機等からなるIoT対応製品や既存のIoT非対応製品の主要製品分野毎におけるデータ消去を前提としたリユース取扱い、及びデータ破壊を前提としたリサイクル取扱いのガイドラインの策定等の実施
- 実績値の把握を行うとともに、回収~リユース~リサイクル~残渣物の取扱いまでの各管理に対応している事業者の取扱い事業所(製品分野別)※に対する「当協会認定リユース・リサイクル取扱者事業所」の認定と告知 ※当面は、コンピュータ製品分野、モバイル機器分野、映像機器分野、印刷機器分野、ネットワーク機器分野、小型家電機器分野、自動車・搬送機械分野等を予定。
- IoT対応製品や既存のIoT非対応製品における「使用済後に残っている個人・企業データの消去・破壊の必要性及びそのわかりやすい方法」等について、一般消費者等に対する当協会Webサイト等による告知・啓蒙活動
- 各会員様から報告頂いたリユース・リサイクル取扱い実績値等を協会で集計し、関係官庁等にご報告後、必要に応じ広報発表 等を行います。
2.主要製品別のデータ消去ソフトウェアの評価・認定
3.「SDGs」への貢献、「ESG」「サーキュラーエコノミー」への対応
従来から、我が国では、環境モデルとして、循環型社会を形成するために必要な取り組みであるリデュース・リユース・リサイクル、またその総称として「3R」という名称が使われていますが、最近では、「SDGs(エスディージーズ)」「ESG(イーエスジー)」「サーキュラーエコノミー」という言葉が、先進国を中心に国際的に注目されています。
2015年9月に我が国も参加した国連サミットで、「持続可能な開発目標」である「SDGs」が定められました。我が国では、SDGsへの取り組みは、国だけでなく、多くの地方自治体や企業等でも拡大しています。
また、最近では企業の価値を評価する尺度として、「ESG」が着目されています。「ESG」は、環境・社会・ガバナンスの頭文字をとったものです。 「サーキュラーエコノミー」は「循環型経済の意味であり、2015年12月にEUの行政である欧州委員会が発表した概念の言葉であり、従来環境への貢献に寄与できなかった「製品の販売や製品を用いたサービスの実施等」を行っている上流事業者でも環境対応に寄与することが可能になります。 「ESG」と「サーキュラーエコノミー」は「SDGs」に繋がりますので、当協会は、「SDGs」に貢献、また、「ESG」「サーキュラーエコノミー」に対応したく考えております。
4.SDGs貢献およびESGをめざす個別や地方自治体等への支援活動
SDGs貢献およびESGをめざす個別の企業や地方自治体毎の「持続可能な産業・消費等」、「環境」の取組みに寄与するリユース・リサイクル活動実績の第三者評価を行っています。
5.既存のIoT非対応製品において使用済み後の製品内に個人・企業情報が
残っているか否かの調査
当協会は、特に既存のIoT非対応製品等では、使用済み後の製品内に個人・企業情報が残っている可能性を危惧し、正規の販売ルートからIoT非対応リユース製品を購入して、データ復旧事業者に依頼し、そのリユース製品に個人・企業情報が残っていないかの評価の実施も、関係者のご理解・ご協力を得ながら適宜行います。
今回、当協会は、中古乗用車に実装されていた「HDDナビゲーション装置」を中古自動車(部品)販売チャンネルから購入して、データ復旧事業者に依頼し、その装置に情報が残っていないか否かの結果を分析したところ、前の使用者が使っていた履歴情報が発見されました。データ消去に関する責任については、不明な点もありますが、関係者のご理解ご協力が得られるのであれば、原因究明と今後の対応にご相談させて頂きたく考えています。
- 図:中古自動車(部品)販売チャンネルから購入した「HDDナビゲーション装置」に残っていた履歴情報が表示されている画面